語句説明・資料

茶運び人形

茶運人形

機匠図彙』の上巻に、「茶運人形」の作り方が詳細に記述されています。「茶くみ人形」とも「茶はこび人形」とも呼ばれ、同書の口上書には人形の動きを次のように説明しています。「人形の持て居る茶台のうゑにちゃわんをおけば 人形向ふへゆく 茶碗を取れば行き止る また 茶わんをおけば あとへ見かへりて 元の所へもどる也」
これを1969年(昭和44年)名古屋在住のからくり人形師、七代目玉屋庄兵衛が『機匠図彙』を手本にして、説明と寸分違わない"完全復元"に成功しました。素材に木材を利用していることを除けば、茶運人形のメカニズムは現代の機械原理に通用する要素を充分に備えている。自動的に動いて、定められた役割を果たすわけで、世界に類の無い「木製のロボット」といえます。

弓曳童子

弓曳童子骨からくり 弓曳き小早舟

弓曳童子という座敷からくり人形は、「からくり儀右衛門こと田中久重が、彼の持てる技術のすべてを傾注して作り上げたからくり人形の最高傑作。動力、機構を収めた台の上に座った童子が、矢台の四本の矢を次々につがえて数メートル離れた的に向かって射る自動人形である。動力は真鍮製のゼンマイを用い、人形の動きは数枚のカムに連動する糸によって行われる。機構的には極めて簡単なものであるが、人形を動かす糸の半分か集中する頭部分は、能のような動きといえばよいだろうか。人間の動きや仕草を見事に表現している。」(鈴木一義『からくり人形』2頁)。

弓曳童子の表情

骨からくり弓曳き小早舟平成10年(1998年) 九代玉屋庄兵衛氏は田中久重が製作した「弓曳童子」を完全復元した。 新世代弓曳童子として、2009年にデザイナー中山俊治とのコラボレーションで「骨からくり 弓曳き小早舟」を製作した。